リウマチ科
関節リウマチについて
関節リウマチの初期症状には、起床時の関節のこわばり、関節痛、手指のむくみで気づくことが多いです。
手指、手首(手関節)に出るのが典型的で、左右対称になりやすいことが知られていますが、肩や肘、膝、足首など全身の関節に起きます。
このため、朝の身支度や朝食の準備などで初期症状に気づくことがあります。
膠原病・関節リウマチとは
膠原病とは、厳密には異なりますが自分の体を守る免疫細胞が暴走して自分の体を攻撃してしまう病気をまとめていいます。
関節リウマチは膠原病の代表的な病気ですが、膠原病には、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、血管炎など様々な疾患が含まれます。
主に手、足の関節から始まり、全身の関節に炎症を起こします。
関節リウマチは、何らかの刺激(遺伝・環境因子)で免疫のシステムに異常が起きて自分の関節を攻撃してしまい、関節に炎症を起こします。
関節に炎症を起こし、痛みや腫れを伴い進行すると関節周囲の軟骨や骨が破壊され、ひどければ日常生活ができなくなります。
免疫異常の起きるメカニズムは、まだ解明されていないことが多いのですが、さまざまな研究が行われ明らかになりつつあります。
これに伴って関節リウマチに対する新しい治療法も登場し、症状の進行が抑えられる状態(=寛解)する患者さんも増えています。
そのため、早期診断・早期治療が必要です。
診断・検査
- 病歴・身体診察
膠原病や関節リウマチで特徴的な病歴や症状がないか関節の腫れや痛みの場所 皮膚症状など、病歴や診察がとても重要です。 - 血液検査
炎症反応や関節リウマチや各膠原病病患に特徴的な自己抗体のチェックを行います。 - レントゲン(胸や関節)
関節の評価や合併症の評価ができます。 - 関節エコー
関節の腫れや炎症の程度を細かく評価できます。
これらを総合的に判断し、診断・治療を行います。
関節リウマチの治療
関節リウマチの治療は薬物療法を中心としてリハビリテーション、手術があります。
関節リウマチ治療は昔のステロイドホルモンが中心だった治療から大きく変わっています。
まずは、メトトレキサートを中心とした抗リウマチ薬で治療を行い関節の炎症を抑えていきます。
ほぼ完全に痛みや腫れがなくなる(寛解)になれば、継続します。
1剤で効果が不十分な場合は、他の薬剤の併用又は生物学的製剤やJAK阻害薬のような新しい薬も最近は出てきました。
当院でも、大学病院と同じ様に、上記薬剤を積極的に使用し、治療を行っています。
早期に診断、早期に治療を行い関節が壊れる前に治療を行うことが重要です。
関節リウマチの治療目標
十分な炎症のコントロールを行い、臨床的寛解(痛みや腫れがない)の構造的寛解(関節破壊を抑える)・機能的寛解(生活機能を改善)を目指します。
現在の関節リウマチの状態(疾患活動性)を評価して、必要に応じて治療を調整する必要があります。
関節リウマチは十分な治療を行いますが、日常生活は通常通りに行ってもらう様なお付き合いしていく病気です。
関節リウマチは難しい言葉も多くイメージがわきにくい病気であるため、できるだけ簡単な言葉で説明するように心がけています。
膠原病や関節リウマチが心配な方 や下記の様な症状がある方は
当院外来へご相談ください
関節の腫れ・こわばり・痛み
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